内容証明郵便|書き方・出し方・使い方

query_builder 2021/07/14
blog:内容証明郵便
いらすとや 内容証明

内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって日本郵便が証明してくれる制度です。


なお、このサービスでは「内容」の証明にしかなりません。「配達証明」サービスを併せて利用することで「いつ」相手に届いたのかも証明できます。


内容証明は、弁護士さんなどの法律専門家に作成を依頼するのが一般的ですが、ご自身で出すこともできます。今回は、基本事項と送付の手続き及び内容証明を「送った方がよいケース」と「送らない方がよいケース」をご紹介します。


目次
1.内容証明作成のルール
2.郵送方法
3.郵送後
4.内容証明を送った方がよいケース
5.内容証明を送らない方がよいケース
6.気を付けて頂きたいこと



1.内容証明作成のルール


内容証明郵便には独自の作成ルールがあります。これは法律事務というより日本郵便が定めたルールなので、詳細は後記の日本郵便ホームページで確認してください。


①字数・行数の制限

1行の文字数、1枚の行数に制限があります

縦書き・横書きの区別字数・行数の制限
縦書きの場合1行20字以内・1枚26行以内
横書きの場合1行20字以内・1枚26行以内
1行13字以内・1枚40行以内
1行26字以内・1枚20行以内

用紙の種類に制限はありません。内容証明郵便用の用紙が市販されていますが、一般的に普及しているA4用紙を使ってパソコンで作成することもできます。


②文書以外の物は同封できません

形式要件をみたす文書の内容を証明する制度なので、それ以外の図面や資料などは同封できません。


③使用できる文字が決まっています。

大抵の文字は使えますが、記号や括弧を使うときは文字数の制限との関係で注意をしておく必要があります。細かなルールがありますので、詳細は後記のリンクから確認してください。


④訂正の方法も決まっています。

二重線で消し、欄外に「〇字削除、〇字加入」と記載して押印という方法が決まっています。改めて作り直せばいいので、郵便局の窓口で訂正する場合でなければ気にする必要はありません。



・リンク⇒日本郵便HP 内容証明の概要

・リンク⇒日本郵便HP 内容証明の利用条件



2.郵送方法


①内容証明を差し出せる郵便局は決まっています。

最寄りの郵便局で内容証明を取り扱っているとは限りません。

差し出す郵便局に確認する必要があります。


郵便認証司
内容証明郵便を取り扱えるのは「郵便認証司」という国家資格を持った人だけです。
“みなし公務員”とされており、秘密保持義務が課されます。


②窓口に持参するもの


内容文書(受取人へ送付するもの)

文書が複数になるときは契印をしてください。

文書内の押印および契印は認印で構いません。

文書内の押印は必須ではありませんが、契印は必須です。


上記内容文書の謄本2通

自分の控えと郵便局での保管用ですコピーで構いません。


差出人および受取人の住所氏名を記載した封筒

住所氏名の記載は文書内の記載と完全に一致させてください。

封筒への記載の仕方は、普通の手紙と同じです。

局員の方の確認後に文書の封入をします。


差出人の印鑑

契印漏れや訂正の可能性があるので、念のために持参します。

内容文書に押印したものと同じ印鑑にしてください。


③郵便料金


通常の郵便料金、内容証明の加算料金、一般書留の加算料金、配達証明料金の合計が内容証明の郵送にかかる費用となります。

※送付する枚数によって金額が変わります。

※速達を希望する場合は速達料金もかかります。


A4用紙1枚の内容証明を送る場合、およそ1300円ほどになります。


この2つはセットのようなものですが、内容証明と配達証明は別のサービスなので、局員さんの方から確認してくれなかったとしても、「気が利かない」と文句を言うことはできません。配達証明を希望することは、郵便局員の方にしっかり伝えてください


手続きが完了すると受領証が交付されます。「内容証明」「配達証明」の記載があるかを確認してください。受領証は大切に保管してください。


「電子内容証明」というサービスもありますが、使ったことがないので解説は控えさせて頂きます。



3.郵送後


①配達証明の通知

配達証明を付けると、配達後にその旨の通知がハガキで届きます。


②再度証明

自分が保管していた控えを紛失してしまった場合、郵便局で保管している控えを閲覧することができます。


また、閲覧後に同一のものを作成し、郵便局に提出することで、以前内容証明として送付したものと同一であることを証明してもらえます(再度証明)。


上記の手続きが可能な期間は、差出から5年間です。郵送時に交付された受領証が必要になります。




4.内容証明郵便を送った方がよいケース


契約を解除したいとき

契約解除の意思を伝えたのに、相手が「憶えがありません、今初めて聞きました。」などと言い出し、強引に契約を継続することがあります。そんなことがないように、内容証明を使って明確な証拠を残します。


時効の完成を猶予させるとき

「時効の完成猶予」とは、本来なら時効が完成する期間が経過していても、時効の完成を一定期間猶予させることです。


例えば、誰かにお金を貸した場合、消滅時効が完成してしまうとお金を返してもらう権利が消滅してしまう(相手が時効を援用した場合)ので、これを阻止するために内容証明を使って相手に返済を求め、時効完成猶予の効果を発生させます。


時効の完成猶予については⇒blog:時効の完成を阻止する(完成猶予と更新)

時効の援用については⇒blog:時効完成を主張する(時効の援用)



クーリングオフをするとき

クーリングオフ制度を利用するためには、書面により契約解除の通知をする必要があります。内容証明でなくても記録が残るかたちで通知すればよいのですが、内容証明を使うことにより確実な証拠を残すことができます。



内容証明が使える場面は上記の他にも多々あります。ご自身の意思の内容及びそれが相手に到達した日を記録に残したいときに使います。




5.内容証明郵便を送らない方がよいケース


今後もお付き合いを継続するつもりのとき

内容証明を送るということは、いわば宣戦布告です。本気のケンカが始まってしまうので、これからも仲良くしたいのであれば他の手段を検討してみてください。


相手に誠意があるとき

例えばお金を貸している場合、経済的理由で一括返済はできないものの、なんとか支払える額を月々返済してくれているのであれば、内容証明を使って相手を追い詰めるのは得策ではないかもしれません。


こちらに非があるとき

こちらに非があるならば誠心誠意謝罪をしなければなりません。内容証明を送り付けてしまうと相手の怒りをかい、穏便に済むはずだった交渉が思わぬ方向へ急変してしまうかもしれません。



他にも、相手が倒産しそうな場合・財産隠しをしそうな場合には回収不能のリスクがあります。内容証明を送るか否かは慎重に検討しなければなりません。



6.気を付けて頂きたいこと


内容証明郵便を送ると、相手から何等かのリアクションがあると思いますが、素直にこちらの言い分を聞いてくれるとは限りません。


相手がどんな反応をするか、どう対応すればいいか、不安なときは専門家に相談してください。穏便に済みそうにない場合や訴訟に発展しそうな場合は弁護士さんに相談することをお勧めします。


また、内容証明の強力な証明力は、ご自身の不利に働く場合があることにも注意してください。



内容証明郵便|書き方・出し方・使い方|金田一行政書士事務所

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