内容証明郵便|不在・居留守の場合の対処法
内容証明郵便は、相手に直接手渡しで届ける仕組みになっています。
そのため、相手が不在だと渡すことができません。
(同居の家族に受領してもらうことはできます)
では、不在や居留守で相手に渡せない場合はどうすればいいのでしょうか。
目次 1.不在の理由は様々 2.現地調査をする場合の注意点 3.受け取られない場合はどうなるか 4.特定記録郵便 5.訴訟の提起 |
1.不在の理由は様々
不在の理由を思いつく限り挙げてみます。
① 仕事の都合で長期不在
② 2か所で暮らしている(自分住まいの他、実家、娘・息子夫婦宅など)
③ 入院している。
これはもう配達のタイミングが悪かったと思うしかありません。
居場所がわかれば、そちらに送付するという手もあります。
④夜勤で働いているため、昼間は寝ている
私も経験がありますが、昼間は寝る時間なので何もしたくない気分になります。
普通の人にとっての深夜です。そう考えれば、気持ちがわかると思います。
玄関のチャイムが鳴っても気付かない、もしくは無視もあり得ます。
不在票を見ても「なんだこれ、まぁいいか。」で済ましているかもしれません。
⑤実は引っ越している
家財道具を残したまま行方をくらまし、どこか別の所での暮らしを始めたのかもしれません。この場合、引っ越し先を調べる必要があります。
転居先不明の場合⇒blog:転居先不明のとき
引っ越し先の調査⇒blog:住民票の除票・戸籍の附票での調査
⑥ただの居留守
実はこれが一番多いと思うのですが、居留守を使った実質的な受取拒否です。
この場合、受け取ったものとして扱われる場合があります。
受取拒否については⇒blog:受取拒否をされたら
内容証明郵便を送られ慣れている業者などは、“受取拒否は受け取ったことにされる場合があるから不在で押し通す”といったマニュアルになっていることもあるようです。(それはそれで、受け取ったことになることもありますが。)また、バーチャルオフィスでは規約上そのようになっている所もあります。 |
2.現地調査の注意点
調べに行ける距離であれば、相手宅まで行き、本当に不在なのか、なぜ不在なのかを調べることもできます。
家の灯り、生活の痕跡、電気メーター、家族・近所への聞き取りなど、何か手がかりがつかめるかもしれません。
ただし、法に触れないように注意してください。
正当な理由なく他人の家を覗き見るのは、軽犯罪法1条23号の「窃視の罪」にあたります。「正当な理由」とは、一般的には警察の捜査のことです。内容証明を送るための調査が正当な理由として認められるとは限りません。
また、住居侵入罪(刑法130条)にも注意してください。
なお、軽犯罪法1条32号には「田畑等侵入の罪」というものもあります。
侵入できないのは住居に限りません。
結局できるのは、遠目でチラッと確認するぐらいだと思ってください。
探偵はなぜOK? 探偵の行う尾行や調査は、『探偵業法』の範囲内でなら合法的に行うことができます。探偵は探偵として届出をしたうえで実行しているのでOKですが、素人が真似をするのはNGです。法的にも探偵テクニック的にも。 |
せっかく相手宅まで行ったなら、内容証明と同じ文書をポストに入れておきましょう。
あまり参考になりませんが関連記事です⇒blog:相手のポストに直接
3.受け取られない場合はどうなるか
相手に届いていないので、法律的な効果は何も発生しません。
先述のように、実質的には居留守を使った受取拒否である場合、または単に再配達の手続きをとらないという場合であれば、届いたものとして扱われるケースもあります。
本当に長期不在の場合、届いたものとして扱われることは無いと思ってください。
不在の原因がわからない場合には、内容証明にこだわらず他の手段も検討してください。
勤務先に送ればいい? 勤務先がわかっている場合、そこに送ればいいのでは?と思う方もいると思いますが、名誉毀損やプライバシー侵害にあたる可能性があるので、あまりお勧めしません。 勤務先の人が勝手に中身を見ることはないとしても、「内容証明が送られてきた」というだけで、よくない噂が立ったりします。そのような効果を狙ってわざと勤務先に送ることも慎んでください。 |
4.特定記録郵便
不在が続き相手に届かない場合、『特定記録郵便』を使うという手段があります。
特定記録郵便は、本人に直接手渡しではなく相手のポストへ投函する配達方法です。
送付したこと及び相手に届けたことのみが記録される郵便なので、 送付した文書の内容を証明するものではありません。
そのため、送付文書は事前にコピーを残しておく必要があります。
内容証明郵便と比べると証明力は弱いですが、何もしないよりはずっとましです。
相手が戻ってきた時に読んでくれれば、それをきっかけに何か進展があるかもしれません。
5.訴訟の提起
どうにもならない場合、弁護士さんに相談してください。
訴訟を提起すると、訴状などの郵便物が裁判所から相手に送付されます。
つまり、内容証明郵便が届かない場合と同じ状況になるのですが...
不在続きで裁判が始められない、なんてことにはなりません。
裁判所が関わるので、一般市民では不可能なことができます。
まず、裁判所からの郵便物は受取拒否ができません。受け取らないならその場に郵便物を置いて帰り、それで受け取ったことにする「差置送達」という方法もあります。
不在で戻ってきたときは再配達がされます。再配達先として勤務先が指定されることもあります。職場で悪評が立つのは避けられないので、むしろなんとかして受け取りたくなります。
それでもだめなら、公示送達を経て強制執行ということもあり得ます。
公示送達については、こちらの「4.公示送達」で紹介しています
裁判を起こす前になんとかなればいいのですが、ダメなそうなときは、弁護士さんにご相談ください。
内容証明郵便|相手が不在・居留守の場合の対処法
茨城県稲敷郡阿見町の金田一行政書士事務所
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