内容証明郵便|時効更新を理由とした請求の文例

query_builder 2021/09/15
blog:内容証明郵便
いらすとや 思いだす(編集版)

設例

渡辺絵里子さんは、友人の木村美保さんから、こんなことを言われました。
「大学生の時に借りた5万円、10年以上経ってるからもう時効だよね。」

貸したのは確かに10年以上前だけど... そういえば何年か前に...
『ずっと忘れてたけど、昔5万円借りたことあったよね』とか言われて、
1万円だけ返済してもらったはず(こっちは貸したことも忘れてたけど)。

これって、時効にならないんじゃなかったっけ?
なんか癪に障るから、ちょっとおどかしてやろう。



[設例の解説]


  • 「債務の承認」(民法152条)をすると、時効がリセットされます。木村さんは、借りた5万円の一部として1万円を返済していますので、これは債務の承認の典型例である「債務の一部弁済」にあたります。したがって、本設例で問題となっている5万円の貸金返還請求権は、時効がリセット(時効の更新)されています。

「債務の承認」については⇒blog:時効完成を阻止する


  • 改正された民法166条1項は、債権の消滅時効期間について「権利を行使できることを知った時から5年間」「権利を行使できるときから10年間」としていますが、改正民法が適用されるのは令和2年4月1日以降に発生した債権です。設例ではいつ貸付けをしたのか不明ですが、令和2年4月1日以前であるのは明らかです。旧民法が適用され、10年の消滅時効にかかります。



[作成のポイント]


  • お金を貸した時期が不明ですが、できる限り特定します。お金を貸した理由や場所などを思い出し、おおよその時期だけでも明らかにします。


  • 本設例では返済を受けた事実が特に重要ですが、こちらも明らかではないので、頑張って特定する必要があります。返済の事実そのものを否定されないよう、その時の状況を詳しく記載しておいた方がいいです。


  • 文章の流れとしては、①相手が時効消滅を主張している、②しかし、一部弁済を受けた、③これは「債務の承認」にあたる。④したがって、時効は完成していない。⑤残金を支払ってください、という流れになります。




文例

[1行20文字、1ページ26行wordでの作成画面です。グリッド線を表示しています。]


時効更新を理由とした内容証明の文例



  • できるだけ時期が特定できるようにエピソードを盛り込んでみました。預金の引き出しや振り込みの記録があればいいのですが、比較的少額のやりとりなので、記録が無いなら仕方ありません。


  • 一部弁済があった場合、そこから改めて時効期間が進行します。設例では、一部弁済から5年しか経過していないので、時効は完成していません。

※旧民法でいうところの「時効の中断」がされていますが、中断事由の発生が2020年4月1日より前なので、旧民法が適用され、10年の消滅時効にかかります(附則 平成29年6月2日法律第44号 10条2項)。




内容証明郵便|時効更新を理由とした請求の文例|金田一行政書士事務所

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