経営事項審査|CPDと建設キャリアアップシステムの加点
経審の評価項目に『CPD』と『建設キャリアアップシステム』(以下、建キャリ)が加わりました。
技術者及び技能者に関する項目ですが、技術力に関するZ点ではなく、その他審査項目(社会性等:W10)として加点されます。技能または技術の向上に関する「取り組み」として評価されるからです。
評点算出方法がややこしいので、評価方法の概要と加点を大きくするための方向性に絞って解説します。
建キャリの概要については
⇒blog:そろそろ登録したほうが...『建設キャリアアップシステム』
目次 1.まずは技術者と技能者の違いから 2.評点算出方法の特徴 3.CPDの加点 4.建設キャリアアップの加点 |
1.まずは技術者と技能者の違いから
①CPDは技術者の加点要素です。一方、②建キャリは技能者の加点要素です。評点の算出方法を理解するには、両者の区別を明確にしておく必要があります。(両者の要素を兼ねることは可能です)
①技術者
技術者については、建設業法の中で定義されています。
『建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの』としての主任技術者(26条1項)と、監理技術者(同条3項)です。
技術者の職務は、「施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理、施工に従事する者の技術上の指導監督」とされています(26条の4第1項)。
②技能者
技能者について、建設業法上の定義はありません。
建設工事の直接的な作業に従事する方を意味します。登録基幹技能者も含まれます。
2.評点算出方法の特徴
(社会性等:W10)の評点算出は、CPDと建キャリ、2つの項目の点数を計算式にあてはめて算出されます。P点換算での最大値は14点です。
各項目の算出方法が難解なうえ、最終的な算出のために更にひと手間が必要です。
“これをやったらP点がこれだけアップする”とは簡単に言えない構造になっています。
注意すべき点は、在籍する技術者・技能者の中に、加点対象になる人がどれぐらいいるか、その「比率」が重要な点です。
一個人の努力では加点に直結しづらいので、全体としての「取り組み」が必要です。
2.CPD(Continuing Professional Development)の加点
CPDとは、技術者の継続教育のことです。CPD認定団体が提供する再教育プログラムを受講することで加点対象となります。
プログラム受講によって得られる「CPD単位数」が評点算出のベースになります。
算出のポイント
①1人の技術者の上限単位数は、1年間で30単位
②総単位数を全技術者の数で割り、技術者1人あたりのCPD取得単位数を算出する。
③認定団体ごとに学習量・難易度が異なるので、指定された方法で単位数を換算
換算後の「技術者1人あたりのCPD取得単位数」が30単位であれば、満点の10点となります。(技術者点)
3.建設キャリアアップの加点
建設キャリ制度のレベルアップ判定を受けることで加点対象となります。直近3年間におけるレベルアップが評価対象です。1度レベルアップすれば、その後3年間は継続して加点対象となります。
3年以上前にレベル4に達していた技能者は対象外となります。ただし、レベル3及び4の技能者は、技術力に関する(Z)で加点対象となります。
レベルアップした技能者の比率が15%以上だと、満点の10点になります。(技能者点)
算出方法の詳細はややこしいので省かせてもらいました。
具体的な目標を設定したい場合、シミュレーションソフトを使ったほうがよさそうです。
参考文献:建設業経営審査事項制度の実務と究極的評点アップ対策[6訂版]経営コンサルタント百合岡事務所 著(日本法令)
経営事項審査|CPDと建設キャリアアップシステムの加点
茨城県稲敷郡阿見町の金田一行政書士事務所
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