建設業許可|そろそろ登録したほうが...『建設キャリアアップシステム』【CCUS】
『建設キャリアアップシステム』平成31年4月より本格運用が開始されたシステムです。
何度かご相談を受けましたが、大抵の場合、“面倒くさそうだね” “今はまだいいかな”で話が終わってしまいます。
しかし、国土交通省が『令和5年までにはあらゆる工事で完全実施』と言っています。
そろそろ後回しにはできなくなってきました。
目次 1.建設キャリアアップシステムとは 2.メリット 3.能力評価制度 4.利用手続き 5.費用 |
1.建設キャリアアップシステムとは
“建設キャリアアップシステムは、技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげるシステムです。”
建設キャリアアップシステム専用サイト【(一財)建設業振興基金】より引用
『Construction Career Up System』の頭文字をとってCCUSとも呼ばれます。
一番流行っている略称は「建キャリ」だと思われます(個人の感想です)。「キャリアアップシステム」は一般的にも使われる用語です。「CCUS」は二酸化炭素の回収・貯留・利用に関する「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略称としても使われています。建設業の「建」が入った「建キャリ」が最も適した略称ではないでしょうか。 |
このシステムの具体的な内容は、技能者ひとりひとりに専用のICカード(建設キャリアアップカード)を作成してもらい、保有資格・就業履歴などの情報をシステムに蓄積することです。
現場入場の際にカードリーダーにかざせば、その現場で就業していたことが記録され、電子的に蓄積されていきます。
2.建設キャリアアップシステムのメリット
最大のメリットは、『経験』を証明できることだと思います。
仕事上の経験をアピールする場合、どこに何年勤めた、こんな資格を持っていて、こんな仕事をしていた、そこから“じゃあこんな経験をしてるんだろうな”と推測してもらうしかありません。
私の場合、ちょっと数えてみたら、これまで38の建設業者さんと関わってきました。経審受審会社はそのうちの13社です。独立開業前の経験がほとんどですが、そこそこ自信を持っていい数字だと思います(もっとすごい行政書士は大勢いますが)。
しかし、「本当にぃ~」と言われても、証明する手段がありません。
この会社とあの会社と…なんてベラベラしゃべるわけにもいきませんので。
経験を証明する手段があるのは、なかなか便利なことだと思います。
その他のメリットについては、
⇒建設キャリアアップシステムのメリット PDF(国土交通省)
3.能力評価制度
「建設キャリアアップカード」に記録された保有資格・就業履歴の情報を基に、技能者のレベルが4段階で判定されます。
LEVEL1:初級技能者
LEVEL2:中堅技能者
LEVEL3:職長
LEVEL4:高度なマネジメント能力を有する技能者
ちなみに、カードの色も
ホワイト、ブルー、シルバー、ゴールドと変わっていきます。
レベル判定の手続きは、各能力評価実施団体で審査が実施されます。
職種ごとにレベルアップの条件が違います。ご自身の職種ごとに条件を知っておくと、目標ができていいのではないでしょうか。
4.利用手続き
元請、下請、技能者で、それぞれ利用手続きが異なります。
元請業者の利用手続き
①事業者登録
②現場の登録
③施工体制の登録
④カードリーダーの設置
下請け業者の利用手続き
①事業者登録
②施工体制の登録
技能者の利用手続き
①技能者情報の登録
②カードの取得
③就業記録の蓄積
⇒建設キャリアアップシステムの利用手順 PDF(国土交通省)
5.費用
巨大なシステムなので、膨大な運営費がかかります。
そのため、登録料・管理者ID利用料・現場利用料がかかります。
資本金の額、法人か一人親方かによって金額が変ります。
建設キャリアアップ専用サイトHP
“現場利用料”はちょっと驚きです。
1回「ピッ」とかざすと10円です。1日に2つの現場に行ったら20円です。
これを管理するには更に運営費がかかります。
う~ん、メリットあるのでしょうか?
費用がかかるほど、メリットとのバランスが気になりますが、経審での評点アップにつながるほか、技能レベルに応じた手当支給、週休2日制推進への利用などが検討されています。
経審での評点アップについては
⇒blog:経営事項審査|CPDと建設キャリアアップシステム
インボイス制度もそうですが、近頃大きな変更が多くて大変ですね。
建設業許可|建設キャリアアップシステム
茨城県稲敷郡阿見町の金田一行政書士事務所
NEW
-
query_builder 2022/01/16
-
建設業許可|現場代理人の兼務【現場の兼務・技術者等との兼務】
query_builder 2022/01/09 -
【申請代行】令和3・4年度 阿見町入札参加資格審査申請
query_builder 2022/01/04 -
吾輩は下戸である。【アルハラに注意しましょう】
query_builder 2022/01/03 -
謹賀新年
query_builder 2022/01/01