建設業許可|インボイス制度【一人親方さんVer.】

query_builder 2021/10/18
blog:建設業許可
請求書・領収書 消費税

本記事は、令和3年10月1日現在の情報に基づき執筆しております。  


2年も先ですが、令和5年10月1日から『消費税の適格請求書等保存方式』(以下、インボイス制度)が始まります。建設業のみならず、すべての業界に関係する制度です。

令和3年10月1日には登録手続きも始まりました。  


建設業界からは悲観的な意見も聞かれます。

特に免税事業者(多くの一人親方が該当)には厳しい制度となっています。


そこで、一般的に言われている基本的事項を一人親方さんにあてはめて解説します。


制度の詳細と対応策は、税理士さんにご相談ください。    


目次
1.ざっくり『インボイス制度』
2.“invoice”とは
3.適格請求書の記載事項(追加は3項目だけ)
4.登録申請について
5.免税事業者も例外ではありません。
6あまり悩まなくてよいケース
7.経過措置が6年間もあります。


1.ざっくり『インボイス制度』  


なぜこんなに注目されているのか、


その理由は、一人親方さんがインボイス制度の登録事業者でないと、発注する建設会社さんが損をする。 そのため値下げを要求される。最悪の場合は発注してくれない。そんな恐れがあるからです。


なぜ発注する建設会社が損をするのか、


まず、建設会社が注文者から消費税を“預かり”ます。消費税を国に納付をするのは建設会社です。その際、建設会社が一人親方や下請業者に支払った消費税は、納付額から差し引かれます。


消費税を差し引くことを『仕入税額控除』と言います。


一人親方さんがインボイス制度の適用を受けていないと、この「仕入税額控除」ができません。発注した建設会社が消費税を多めに払うことになり、損をします。     


そうならないように、インボイス制度の登録をしておく必要があります。    



2.“invoice”とは?  


英語のインボイス(invoice)は、「声」を意味する「ボイス(voice)」とは無関係です。


“道を辿って送られてくるもの”が語源になっており、その代表格として『送り状・請求書』といった意味になっています。


つまり、インボイス制度とは、請求書等の運用・記載事項を変更する制度です。

変更にあわせて必要事項を記載した請求書を『適格請求書』と呼びます。  


先述の『仕入額控除』のためには、この適格請求書が必要になります。    



3.適格請求書の記載事項(追加は3項目だけ)  


適格請求書(インボイス)は、一人親方から建設会社に対し、正確な適用税率や消費税額を伝えるための書類です。


具体的には、登録番号や消費税額などが記載された書類や電子データを意味します。  


特定の書式はありません。必要な情報が記載されていれば、適格請求書(インボイス)に該当します。現在使っている請求書や領収書に必要事項を追記することで対応できます。  


インボイス制度固有の記載事項は、①登録番号、②適用税率、③税率ごとに区分した消費税額等の3つです。


①登録番号は、登録手続きをすれば通知されます。

②適用税率は、現状では8%か10%かです。

③税率ごとに8%か10%で区分して記載します。    


複数の書類・データの適格性

ひとつひとつの書類にすべての必要事項を記載していなくても、各書類(データ)の関連性が明示されていれば、それらをひとつのグループとみなして適格性が認められます。 複数の納品書とそれらを一括した請求書のセットなどです。      


仕入明細書等 
一人親方の側からインボイスを交付するのではなく、一人親方の確認を得たうえで、建設会社がインボイスに相当する仕入明細書を作成することもできます。 建設会社さんがこの対応をしてくれるなら、事務負担が少々減ります。



4.登録申請について  


『インボイス』を発行できるのは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」いわゆる『インボイス発行事業者』のみです。  


制度がスタートする令和5年10月1日にインボイス制度に参加するためには、 令和5年3月31日までに登録を済ませる必要があります。  


手続きは、管轄の税務署、登録センターへの郵送、e-tax、スマホでも可能です (スマホは個人事業者のみ)。

国税庁:インボイス制度の登録申請手続き


登録が済むと、登録事業者の氏名・名称、登録番号、登録年月日などが国税庁のホームページで公表されます。

国税庁:適格請求書発行事業者公表サイト



5.免税事業者の方も例外ではありません。  


インボイス制度に登録できるのは、原則として課税事業者のみです。


しかし、免税事業者も課税事業者になることでインボイス制度に参加できます。  


参加する手段があるので、“課税事業者になってインボイスを発行してください”

なんてことを建設会社さんに言われるかもしれません。 


多くの一人親方さんは免税事業者だと思われます。

課税事業者になると、新たに消費税を負担することになります。


①消費税を払うか、②仕事が減っても耐えるか、③制度の改善・修正に期待するか。

メリット・デメリットを比較したうえで、ご検討ください。 



6.あまり悩まなくてよいケース  


あまり影響のないケースもあります。


①相手が商売をしていない

相手が商売をしていないなら「仕入税額控除」は考えていません。

注文者の大部分が個人なら、インボイス制度の影響は小さくなります。


ただし、建設会社は当然“商売”なので、このパターンには該当しません。


②相手が簡易課税選択事業者

前々期の課税売上が5,000万円以下の中小事業者は、「みなし仕入れ率」での控除を選択できます。インボイスとは無関係に仕入税額控除が認められるので、インボイス制度の影響を受けません。(建設業のみなし仕入率は70%です)


ただし、この簡易課税方式を選択しているか否かは、端からはわかりません。

こちらから確認するとなると、ちょっと失敬かもしれません。        



7.経過措置が6年間もあります。


相手がインボイス発行事業者(免税事業者含む)でない場合に関し、3年ごと、2段階の経過措置が設けられています。  


①令和8年9月30日まで

仕入税額相当額の80%を控除することが可能  


②令和11年9月30日まで

仕入税額相当額の50%を控除することが可能      


この経過措置期間内については、建設会社が負担する消費税額が抑えられます。

そのため、あまり迷惑がかかりません。




いろいろ論争が起きてます。

もう少し様子見でよさそうです。


   

建設業許可|インボイス制度|金田一行政書士事務所

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