経営事項審査｜工事請負契約書が無い場合

2024.2.21　現在の運用に合わせ内容を修正しました。

契約書をシュレッダーにかけてしまうなんてことは、あまりないと思いますが、

「契約書がない！」ということは、たまにあると思います。

一定額以上の契約でないと作成しないとか、口頭で契約して請求書を発行するだけとか、「契約書を作成しましょう」なんて立場上言えないとか。取引の実情を鑑みると、契約書がなくてもしょうがないケースはあると思います。

しかし、工事請負契約書のチェックは経審における最重要の審査項目です。

無いとなると、これはピンチです。なんとか乗り切る方法を解説します。

1.工事請負契約書の作成は建設業法上の義務です。

いきなり固いことを言いますが、工事請負契約書の作成は建設業法上の義務です。

しかし、工事請負契約書を作成しなくても契約は成立します。

作成義務に違反したからといって、契約が無効になるわけではありません。

ちなみに、この契約書作成義務の違反について罰則はありません。

ただし、指導・監督の対象にはなります。特に下請契約に関しての違反には厳しいです。

※ファックスによる注文書・請書の交付は「署名又は記名押印をして相互に交付」には該当せず、電子機器の使用を認める建設業法19条3項および同法施行規則13条の4の基準にも適合しません。

2.原則的な審査方法

2023.3.23追記

提出する契約書の枚数が減りました。

⇒blog:経営事項審査｜必要書類が大幅に削減されました。

経営事項審査における請負契約書等の確認方法

（令和5年7月改正版「経営事項審査の手引き」茨城県版より）

3.工事請負契約書が無い場合

工事請負契約書が無い場合、注文書・請書のセットが代わりになります。

それも無い場合、無いものはしょうがありません。

では、そんなときはどうするか。本題に入ります。

【契約書が無い場合の審査方法】

• 注文書又は領収書・請求書・見積書と預金通帳等の入金記録を確認

請求書等と整合するお金の動きがあるかを、通帳の記録と照らし合わせて確認します。

通帳のコピーを取り、該当する入金記録等に付箋・マーカー等で目印を付けておいてください。補足説明が必要な場合、その準備もしてください。

なんとか納得して頂けるだけの資料を集め、必死に説明するしかありません。

裁量を最大限に発揮してもらえるよう、誠実な説明を心掛けてください。

「今回は大目めにみますが、次回経審の際の要確認事項となります」

といった対応になることもあります。この場合、次回の経審用に引継書が作成されます。

次回の経審で改善されていないと（たぶん）アウトです。早急に改善しましょう。

契約書がない理由が、単なる怠惰や遵法精神の欠如でないかぎり、なんとかなると思います。説明資料の準備、頑張ってください。

ご相談、ご依頼も承ります。

経営事項審査｜工事請負契約書が無い場合

茨城県稲敷郡阿見町の金田一行政書士事務所