建設業許可|現場技術者の現場専任義務
専任技術者には「営業所」に専任で従事する義務がありますが、現場の技術者にも「現場」に専任する義務が課されることがあります。
目次 1.前提としての「配置」義務 2.現場専任義務が課される工事 3.現場専任義務の内容 4.「専任」の明確化 5.現場専任義務の緩和条件 |
1.前提としての配置義務
建設業許可業者は、現場に主任技術者を配置する必要があります。請負金額の大小に関わらず、軽微な工事であってもです。許可を持っていない業種の施行であっても配置しなければなりません。
さらに、「現場に専任」する義務まで課される場合があります。
2.現場専任義務が課される工事
公共性のある工事で、工事1件の請負金額が3,500万円以上)建築一式は7,000万円)以上の工事については、元請・下請を問わず、工事現場ごとに技術者を専任で配置しなければなりません(建設業法26条3項)。
「公共性のある工事」とは、公共工事のほか、鉄道、道路、ダム、上下水道、電気事業用施設等の公共工作物の工事や学校、デパート、事務所、共同住宅、工場等のように多数の人が利用する施設の工事のことです。個人の住宅を除いてほとんどの工事が対象になります。
したがって、ほとんどの工事で主任技術者・監理技術者に現場専任義務が課されます。
3.現場専任義務の内容
専任とは、他の工事現場を兼務せず、当該工事現場の職務のみに従事することです。
そのため、現場専任義務が課された工事をする場合には、複数の工事を掛け持ちすることができません。
ただし、当該工事現場に「常駐」することまでは求められていません。
なお、建設業許可申請書・決算変更届の必須様式である「工事経歴書」には主任技術者・監理技術者の氏名と担当した工事の工期を記載します。
専任すべき工事があるのに他の工事も担当していたことがわかると、現場専任義務に反していたと判断されるおそれがあります。
4.「専任」の明確化
専任技術者だけでなく、主任技術者・監理技術者にまで専任義務が課されることで、人員配置や運用面で不都合が出てきます。
また、合理的が理由があるにもかかわらず現場への専任を強制することは不当な拘束ともいえます。
そこで、この「専任」の意味を明確化するために通達が出ています。
要約:主任技術者又は監理技術者の「専任」の明確化について(国土建第309号平成30年12月3日)
[「専任」の意味] 専任とは、他の工事現場を兼務せず、当該工事現場の職務のみに従事することを意味する。当該工事現場への「常駐」までは求められていない。 [合理的理由による現場離脱] 技術研鑽のための研修・講習、試験などへの参加、休暇の取得、その他の合理的な理由により工事現場を短期間離れることは可能 [代理技術者を配置する場合] 代理の技術者の配置により適切な施行が可能なときは、現場の戻れる体制を確保しておくことは必須ではない。 [体制の確保]ワークライフバランスや女性活躍という観点から、育児等のために現場を離れることができる体制を確保することが望ましい。 |
5.現場専任義務の緩和条件
個別の記事を作成しましたので、ご参照ください。
主任技術者の場合
監理技術者の場合
建設業許可|技術者の現場専任義務|金田一行政書士事務所
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