建設業許可|監理技術者と1級技士補

query_builder 2021/09/08
blog:建設業許可
1級技士補

監理技術者になることができるのは、原則として1級の国家資格保有者のみですが、現場専任義務が課されると、この貴重な人材がひとつの現場に拘束されてしまいます。


そのような不都合を解消する制度が新設されました(2020年10月1日施行)。


目次
1.制度の概要(特例監理技術者)
2.「職務を補佐する者」とは
3.具体的な運用の指針(国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」より)
4.特例監理技術者の配置が認められない場合
5.茨城県での取り扱い



1.制度の概要(特例監理技術者)


監理技術者の「職務を補佐する者」を現場に専任で置くことで(建設業法26条3項但書)、2件まで現場を兼任できます(建設業法26条4項、施行令29条)。


この制度が適用される監理技術者を「特例監理技術者」と呼びます。


建設業法26条3項但書
(略)ただし、監理技術者にあつては、発注者から直接当該建設工事を請け負つた特定建設業者が、当該監理技術者の行うべき第26条の4第1項に規定する職務を補佐する者として、当該建設工事に関し第15条第2号イ、ロ又はハに該当する者に準ずる者として政令で定める者を当該工事現場に専任で置くときは、この限りでない。

建設業法26条4項

前項ただし書の規定は、同項ただし書の工事現場の数が、同一の特例監理技術者(同項ただし書の規定の適用を受ける監理技術者をいう。次項において同じ。)がその行うべき各工事現場に係る第26条の4第1項に規定する職務を行つたとしてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして政令で定める数を超えるときは、適用しない。

建設業法施行令29条
(同一の特例監理技術者を置くことができる工事現場の数)
法第26条第4項の政令で定める数は、2とする



2.「職務を補佐する者」とは


「職務を補佐する者」を「監理技術者補佐」と呼びます。監理技術者補佐になるためには資格要件と専任要件をみたす必要があります。


[監理技術者補佐になることができる者]

主任技術者の資格を有する者(2級試験、その他の検定合格等)のうち以下のいずれかの要件を満たす者をいいます。

該当する人を「監理技術者補佐」と呼びます。

※主任技術者の資格は、補佐する業種の主任技術者資格が必要です。


①一級の技術検定の第一次検定に合格した者(一級施工管理技

新設された「技士補」の資格については⇒blog:施行管理技士試験の制度変更

②一級施工管理技士等の国家資格、学歴や実務経験により監理技術者の資格を有する者

③国土交通大臣の認定を受けた者


なお、監理技術者補佐は、開札日において直接的かつ恒常的な雇用関係にあり、雇用期間が三ヶ月以上経過している者でなければなりません。


[専任での配置]

この監理技術者補佐は、監理技術者が複数の現場を兼任する場合、その現場ごとに専任で置く必要があります。

技士補の専任配置



3.具体的な運用の指針(国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」より


「監理技術者制度有用マニュアル」とは、行政担当部局が監理技術者制度を運用する上での基本的な考え方が示されたマニュアルです。『建設業者にあっては、本マニュアルを参考に、監理技術者制度についての基本的考え方、運用等について熟知し、建設業法に基づき適正に業務を行う必要がある』とされています。


[技術者の変更に該当するか]

専任の監理技術者が、工事途中に監理技術者補佐を設置して当該監理技術者が他の工事現場を兼務することにより、特例監理技術者となることは、技術者の変更には当たらない。特例監理技術者が専任の監理技術者になることも同様


[工期途中での交代に該当するか]

監理技術者から特例監理技術者への変更あるいは特例監理技術者から監理技術者への変更は、工期途中での途中交代には該当しない。一方で、監理技術者が専任から兼務に変わり、監理技術者補佐 新たに専任で設置するなど、施工体制が変更となることから、事前に発注者に説明し理解を得ること が望ましい。


[監理技術者補佐の指導]

特例監理技術者は、その職務を適正に実施できるよう、監理技術者補佐を適切に指導することが求められる


[連絡体制の構築]

特例監理技術者が現場に不在の場合においても監理技術者の職務が円滑に行えるよう、監理技術者と監理技術者補佐の間で常に連絡が取れる体制を構築しておく必要がある


[兼務の範囲]

兼務できる工事現場の範囲は、工事内容、工事規模及び施工体制等を考慮し、主要な会議への参加、工事現場の巡回、主要な工程の立ち会いなど、元請としての職務が適正に遂行できる範囲とする。

※通達により、兼任しようとする工事現場間の距離は 10km程度とされています。


[当局からの変更指示]

特例監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要と認られるときは、国土交通大臣又は都道府県知事から特例監理技術者の変更を指示することができる


[標識への記載]

現場に掲げる標識には、特例監理技術者の氏名、専任の有無(監理技術者補佐を配置している場合はその旨)を記載する。




4.特例監理技術者の配置が認められない場合(建業第247号令和2年12月14日)


次の要件のいずれかに該当する場合は、特例監理技術者の配置が認められません。


  1. 予定価格が3億円以上であるとき。
  2. 工事の技術的難易度がⅢ以上の工事であると
  3. 当該工事若しくは兼務する工事が24時間体制での応急処理工や緊急巡回等が必要な工事であるとき。
  4. 兼務する工事の発注者が異なるとき(県工事同士でも発注機関が異なる場合は認めない)。
  5. 兼務する工事が低入札工事であるとき。



5.茨城県での取り扱い


令和3年9月7日付で茨城県土木部監理課より公表された「監理技術者が複数現場を兼務する場合の取り扱いについて」の内容を掲載します。(上記で述べた内容と重複する点、相違する点があります。)


なお、現在の国内状況を鑑みて、「監理技術者が、新型コロナウイルスに感染した場合やワクチン未接種者で出勤を自粛した場合においても、下記の要件を満たすときは、復帰するまでの間に限って、他の工事の監理技術者が兼務できます」とされています。



対象工事(兼務する工事が、以下の全てを満たすこと。)


  1. 予定金額が1億5千万円未満の工事。
  2. 茨城県内で施工される工事。
  3. 維持工事同士でないこと。


維持工事

⇒24 時間体制の応急処理工又は緊急巡回が必要な工事その他通年での社会機能の維持に不可欠な工事


特例監理技術者及び監理技術者補佐の要件(以下の全てを満たすこと。)


  1. 監理技術者補佐を専任で配置すること。
  2. 監理技術者補佐は、一級施工管理技士補※(主任技術者の資格が必要)又 は監理技術者の資格者であること。なお、監理技術者補佐として認められる業種は、主任技術者の資格を有する業種に限られる。(例えば、電気工事の主任技術者の資格のみを有する者が、土木一式工事の監理技術者補佐になることはできない。)
  3. 監理技術者補佐が一級施工管理技士補の場合、その技術検定種目が特例監理技術者に求める技術検定種目と同じであること。
  4. 特例監理技術者及び監理技術者補佐は、3か月以上の雇用関係があること。
  5. 特例監理技術者は、主要な会議への参加、現場の巡回、主要な工程への立ち会い等を適正に遂行すること。
  6. 特例監理技術者と監理技術者補佐との間で、常に連絡が取れる体制であること。
  7. 発注者に対して、監理技術者補佐の担当業務等を明らかにすること。


適用日


令和3年10 月1日以降に入札公告を行う工事から適用する。

なお、既に入札公告や契約が済んでいる工事についても、発注者との協議により、この取扱いが適用できる。






建設業許可|監理技術者と1級技士補|金田一行政書士事務所

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