建設業許可|誠実性と建設業法の遵守

query_builder 2021/09/17
blog:建設業許可
いらすとや 行政指導

建設業許可の要件に「請負契約において誠実性を有していること」というものがあります。


不正や違反行為をせずに真面目に仕事に取り組んでいれば、自然と満たせる要件ですが、知らずにやってしまうこともあり得るので、お気を付けください。


目次
1.請負契約において誠実性を有していること
2.対象となる「法人の役員等」
3.不正な行為と不誠実な行為
4.建設業法の遵守について
 ・元請・下請間の請負契約における法令違反
 ・工事の施行における法令違反
 ・許可申請、経審における法令違反
 ・建設業法以外の違反



1.請負契約において誠実性を有していること


許可申請を行う法人または法人の役員等が、請負契約の締結や履行に関して不正をするおそれがある場合、許可を得られません。


新規申請の場合、既に何等かの処分を受けているケースでない限り、この要件はみたします。実際に問題となるのは、許可の取得後や許可の更新時です。


許可の有効期間中に不正・不誠実な行為があったとしても、常に許可が取り消されるわけではありません。取り消されるのは「情状特に重い場合」です(建設業法29条1項8号)。



2.対象となる「法人の役員等」


対象となる人の範囲は広いです。経営に関する影響力・支配力のある立場にいる人は、肩書を問わず対象になります。


代表取締役、取締役、業務執行社員、執行役、相談役、顧問、理事、個人事業主、支配人


これらの人、若しくはこれらに準ずる立場にある人が不正・不誠実な行為をすると許可要件を満たせなくなります。



3.不正な行為と不誠実な行為


►不正な行為

請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等の法律に違反する行為が該当します。


詐欺、脅迫による請負契約の締結、架空請求を使った横領などです。


いわゆるキックバックや過剰接待は、紹介料や人間関係の構築の範囲でならともかく、手法や金額により横領になることもあります。税務上の問題もありますので、ご注意ください。


►不誠実な行為

請負契約に関し、社会通念上誠実性を欠くものと判断される行為をいいます。(請負契約に関する全過程が対象です。)


代表的なものは以下の通りです。


① 入札手続きにおける虚偽申請(15日以上の営業停止処分)

公共工事の一般競争及び指名競争において、競争参加資格確認申請書、競争参加資格確認資料その他の入札前の調査資料に虚偽の記載をしたとき。また、他公共工事の入札及び契約手続 について不正行為等を行ったとき。


②経営事項審査の虚偽申請(30日以上の営業停止処分)

完成工事高の水増し等の虚偽の申請を行うことにより得た経営事項審査結果を公共工事の発注者に提出し、公共発注者がその結果を資格審査に用いたとき。


③主任技術者等の不設置等(15日以上の営業停止処分)

建設業法上の配置義務があるにもかかわらず、主任技術者又は監理技術者を置かなかったとき。


④粗雑工事等による重大な瑕疵(7日以上の営業停止処分)

施工段階での手抜きや粗雑工事を行ったことにより、工事目的物に重大な瑕疵が生じたとき


④ 施工体制台帳等の不作成(7日以上の営業停止処分)

施工体制台帳・施工体系図の作成を怠ったとき、または虚偽の施工体制台帳・施工体系図の作成を行ったとき



「不誠実な行為」は、契約上の違反に限らず、以下に該当する場合にも誠実性をみたさないと判断されてしまいます。
①建築士法、宅地建物取引業法等の規定により免許等の取消処分を受け、それから5年を経過していない者、②暴力団の構成員、または暴力団による経営上の支配を受けている者など



4.建設業法の遵守について


上記の「誠実性」の要件は、建設業法だけ守っていれば満たせる要件ではありません。

しかし、当然のことながら建設業法も遵守すべきです。


建設業法に違反した場合,建設業法第28条に規定する監督処分(営業停止等)の対象になります。


違反になる事例をいくつか挙げます。



元請・下請間の請負契約における法令違反

① 請負契約を書面で結ばずに、口頭で済ませる行為

② 建設業の許可のない者と、建設業の許可が必要な金額の請負契約を結ぶ行為

③ 特定建設業の許可のない者が下請業者と総額4,000万円以上の請負契約を締結

 (建築一式においては6,000万円以上)

④ 一括下請負に該当する請負契約を結ぶ行為


※①~④のいずれの行為においても契約当事者双方が監督処分の対象となります。



工事の施工における法令違反

① 主任技術者・監理技術者の専任性を要する工事における専任性の不備

② 主任技術者・監理技術者に関する虚偽報告(名義貸し等)

③ 施工体制台帳・施工体系図作成を要する工事においての当該書類の不備



許可申請・経審における法令違反

① 建設業許可の申請書及び関係資料における虚偽

② 経営事項審査の申請書及び提示資料における虚偽

③ 変更届等における虚偽


建設業法以外の違反

① 刑法違反・独占禁止法違反 (競争入札妨害,談合,贈収賄等)

② 暴力団や暴力団関係者の使用・利益供与等

③ その他,廃棄物処理法,労働安全衛生法 などの他法令違反




行政処分歴は公表されています。載らないようにご注意ください。

国土交通省 ネガティブ情報等検索サイト




建設業許可|誠実性と建設業法の遵守|金田一行政書士事務所

NEW

  • 経営事項審査|経審の有効期間は、なぜ“1年7カ月”なのか。

    query_builder 2021/10/10
  • 建設業許可|500万円の財産要件と“見せ金”について考える。

    query_builder 2021/10/07
  • 民法|未成年でも取消せない法律行為

    query_builder 2021/10/04
  • 民法|2022年4月1日 成人年齢が変わります!

    query_builder 2021/10/01
  • 経営事項審査|建設業退職金共済(建退共)加入による加点【加入証明書の発行方法】

    query_builder 2021/09/28

CATEGORY

ARCHIVE