建設業許可|10年以上の実務経験の数え方【具体例・複数業種の組合せ表】

query_builder 2021/09/02
blog:建設業許可
いらすとや 鳶職人

2021.  9.2 公開

2021.11.8 更新


「10年以上の実務経験」があると、経験を積んだ業種の専任技術者になることができます。


資格を持ってない、合格発表を待っている時間がない。そんな場合に検討したい手段です。


ただし、“10年以上この会社に勤めている”では実務経験の証明にはなりません。

ちょっと面倒な「10年以上」の数え方を解説します。


各自治体によって取扱いが異なります。茨城県版としてご理解ください。

よその自治体の取り扱いを調べると、“これはかなり手間がかかるな...”と思うことが多くありました。(茨城県は提出資料が少ないので、比較的ハードル低めです。)


目次
1.実務経験とは
2.経験年数の数え方【具体例】
3.複数業種の実務経験(12年以上の実務経験)
4.確認資料の提出が必要になる場合
5.実務経験では専任技術者になれない業種


1.「実務経験」とは


実務経験といっても、その内容は様々です。

カウントできる「実務経験」の内容は限定されています。


工事現場の単なる雑務、事務仕事は「実務経験」になりません。


該当する経験内容は、以下の通りです。


・工事の施工を指揮・監督した経験

・工事の施工に携わった経験

・設計に従事した経験

・現場監督としての経験

・現場技術者としての経験


「実務経験証明書」に記載する当時の役職が、現場監督・現場主任・現場技術者・工事部長といった役職であれば、該当する経験を積んだと判断してもらえます。



2.経験年数の数え方


これまでに関わった工事の期間を、ひとつひとつ、10年間=120カ月になるまで合計していきます。(数え間違いに備え、2,3か月分余計に記載してください。)


気の遠くなる作業に思えますが、その月に1日でも工事に関わった期間があれば1ヵ月の経験としてカウントできます。そこまで面倒ではありません。(10年以上前の記録を引っ張り出すので、そこは面倒ですが)



►数え方の具体例(1年分のみ抜粋)


10年以上の実務経験で「とび・土工・コンクリート工事」の専任技術者になる場合

工事名 着工 完成 経験した月 カウント数
〇〇地盤改良工事 1月10日 2月5日 1月,2月 2か月
〇〇盛土工事 2月10日 3月26日 2月,3月 (注1)1か月
〇〇ビル コンクリート工事 4月3日 6月17日 4,5,6,月 3か月
〇〇様邸大工工事 7月1日 8月19日 7月,8月 (注2)除外
〇〇ビル鉄骨組立工事 9月2日 10月12日 9月,10月 2か月
〇〇足場架設工事 11月7日 11月7日 11月 (注3)1か月
〇〇様邸外構工事 12月11日 12月19日 12月 1か月
合計


10か月

(注1)2月分が重複しているので、3月分のみをカウント

(注2)とび・土工・コンクリート工事に該当しないので除外

(注3)作業は1日だけでも1か月としてカウント


ご覧の通り、そんなに難しくなはないです。


工期の長いものを選んで記載すると、記載量を減らせます。

また、業種が明確にわかる工事名のものを選ぶと、疑義が出づらいです。


工事名から業種がわかりづらい場合、

工事名の横に括弧書きで「○○ビル△△工事(とび・土工)」と追記することもできます。



3.複数業種の実務経験(12年以上の実務経験)


許可を受けたい業種で8年以上の経験があれば、その他の業種の経験を加算できます。


関連する業種の経験しか加算できませんが、合計で12年以上になれば、要件をみたします。


許可を受けようとする建設業 加算できる実務経験
大工工事業
建築工事業及び大工工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、大工工事業について8年を超える実務経験を有する者

大工工事業及び内装仕上工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、大工工事業について8年超える実務経験を有する者
とび・土工工事業
土木工事業及びとび・土工工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、とび・土工工事業について8年を超える実務経験を有する者

とび・土工工事業及び解体工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、とび・土工工事業について8年を超える実務経験を有する者
屋根工事業 建築工事業及び屋根工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、屋根工事業について8年を超える実務経験を有する者
しゅんせつ工事業 土木工事業及びしゅんせつ工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、しゅんせつ工事業について8年を超える実務経験を有する者
ガラス工事業 建築工事業及びガラス工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、ガラス工事業について8年を超える実務経験を有する者
防水工事業 建築工事業及び防水工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、防水工事業について8年を超える実務経験を有する者
内装仕上工事業
建築工事業及び内装仕上工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、内装仕上工事業について8年を超える実務経験を有する者

大工工事業及び内装仕上工事業について8年を超える実務経験を有する者
熱絶縁工事業 建築工事業及び熱絶縁工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、熱断熱工事業について8年を超える実務経験を有する者
水道施設工事業 土木工事業及び水道施設工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、水道施設工事業について8年を超える実務経験を有する者
解体工事業
土木工事業及び解体工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、解体工事業について8年を超える実務経験を有する者

建築工事業及び解体工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、解体工事業について8年を超える実務経験を有する者

とび・土工工事業及び解体工事業について12年以上の実務経験を有する者のうち、解体工事業について8年を超える実務経験を有する者

 引用:茨城県「建設業許可の手引き」令和3年4月1日以降版



4.確認資料の提出が必要になる場合(茨城県版)


確認資料の提出は原則として必要ありません。

証明者が押印した「実務経験証明書」を提出するだけです。


ただし、記載内容に疑義がある場合については、確認資料の提出を求められます。


記載内容に疑義がある場合とは、以下の通りです。


  • 自己証明の場合
  • 記載された実務経験と証明する業種に齟齬がある場合
  • 他の申請書類の内容と齟齬がある場合
  • 申請日前10年以上にわたって実務経験がない場合
  • その他審査者が記載内容に疑義を認めた場合



確認資料を求められたことは、今までありません。

しかし、提出を求められることも想定し、適切な裏付け資料に基づいて作成してください。



5.実務経験では専任技術者になれない業種


電気工事・消防設備工事については、10年の実務経験があっても専任技術者になることができません。無資格でこれらの工事に携わることは違法なので、実務経験があってはおかしいからです。


特定建設業許可における指定建設業(土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園)も実務経験で専任技術者になることはできません。指定建設業は施行の難易度が極めて高くなることがあり、社会的責任も大きいことから、国家資格者でなければ専任技術者になれません。



建設業許可|10年の実務経験の数え方|金田一行政書士事務所


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