民法|贈与契約の基本と親族間での贈与

query_builder 2021/12/05
blog:民法
いらすとや クリスマス

友人の息子とクリスマスの話をしていたら、「良い子にしてればパパが...」と

『あの人物』の正体を暴露しそうになりました。パパが慌ててカットインです。


キッズの夢を壊してしまうところでした。申し訳ありません。


子供の頃から、『あの人物』の存在を一瞬たりとも信じたことがないのです。

同じような生い立ちの方、この時期のキッズとの会話には注意してください。

 

というわけで、贈り物の季節なので、贈与契約について。


 

目次
1.贈与契約の基本

2.書面によるか、よらないか。
3.書面の作成
4.親からの贈与借金



1.贈与契約の基本


「贈与」の意義

 贈与とは、贈与者が受贈者(貰う側)に対して無償で「ある財産」を相手に与えることを目的とする契約です(民法549条)。「ある財産」の範囲は広く、現物のほか“権利”のような抽象的なものも含まれ、他人の所有物ですら対象になります。

 

贈与契約の成立要件

①財産を無償で与える意思表示

②贈与を受諾する意思表示

 

相手の受諾が必要なので、一方的に押し付けることはできません。

例えば、親が独断で子供名義の口座に入金しても贈与にはなりません。いわゆる名義預金となり、親の財産に属したままです。

名義預金
預金する人と口座名義人が異なる預金です。名義預金をしていた方が亡くなった場合、その預金は亡くなった方に属していた財産なので、相続税の対象になります。きちんと申告しないと追徴課税・延滞税を支払うことになります。

 

贈与契約のバリエーション

一般的な贈与のほか、以下のような贈与もあります。


►定期贈与(民法552条)

学費・生活費などを一定の時期ごとに贈与をする契約です。贈る側、贈られる側の人間関係が重要になるので、どちらか一方が亡くなると効力が消滅します(これと異なる特約は可能です)。

 

►負担付贈与(民法553条)

贈与を受ける側が何かしらの負担を背負う贈与契約です。ギブ&テイクの関係になるので、売買契約に近くなります。負担が履行されない場合、贈与契約を解除できます。

 

►死因贈与(民法554条)

贈与者の死亡により効力が発生する贈与契約です。遺言によって財産を他人に与える『遺贈』と似ています。遺言は遺言者が単独で作成するのに対し、死因贈与は相手のいる「契約」である点が異なります。

 

►寄付

寄付、義援金、募金も贈与です。ただし、信託的な譲渡にあたる場合もあります。両者の違いは、受け取った者が、集まった金銭を私的に消費できるか否かです。信託的譲渡の場合、私的な消費は横領になります。

 


2.書面によるか、よらないか


クリスマスプレゼントやお中元・お歳暮など、贈与をする機会は多くあります。その度にわざわざ“書面”は作成しません。世の中の大半の贈与は『書面によらない贈与』です。

 

►書面によらない贈与

書面によらない贈与は、簡単に撤回することができます(民法550条本文)。ただし、「履行の終わった部分」は撤回できません(同条但書)。例えば、300万円の贈与を約束し、とりあえず100万円を先に渡した場合、撤回できるのは残額の200万円のみです。贈る側の気分に委ねられるのではなく、贈与とはいえ、それなりに拘束力があります。

 

►書面による贈与

『書面による贈与』の場合、書面の作成により“贈与する意思”が客観的に明確になります。その結果として、撤回権が認められなくなります。また、他の契約類型よりもやや軽減されますが、引渡義務・担保責任等が生じ、売買契約並みの拘束力が生じます(民法551条)。

 

►例外的に撤回が認められる場合

書面による贈与であっても撤回が認められる場合があります。①忘恩行為と②財産状態の悪化です。贈与の無償性・人的関係の重要性からすれば当然と言えます。

 


3.「書面」の作成


►書面とは

贈与契約における「書面」は必ずしも『贈与契約書』を意味しません。“贈与の意思が表示された書面”であれば足ります。受贈者の氏名・受諾の意思が明らかでなくても、契約後に作成したものでも、司法書士に送った内容証明でも(最判60.11.29)、「書面」に該当します。

 

逆に言えば、「書面によらない贈与」のつもりでも、何等かの書面を残すと「書面による贈与」になる可能性があります。

 

►書面を作成するメリット

書面(贈与契約書)を作成することは、有効な紛争防止策になります。

贈与契約の場合、①撤回権及び②贈与税との関係でもメリットがあります。

 

先述のように、“書面”を作成すると、贈与者の撤回権がなくなります。また、贈与の目的物・金額を明記すれば、贈与税の控除の範囲内であることを明確にできます。

 

どちらも受贈者側のメリットなので、贈与者からすれば手間が増えるだけです。しかし、多くの場合、贈与者と受贈者の間に一定の人間関係があるはずです。贈与者も作成に協力してくれるでしょう。

 

 

4.親からの贈与?借金?


贈与が法律的なトラブルに発展するのは、多額の贈与をする場合です。

とはいえ、赤の他人に多額の贈与をすることは、そうそうありません。

 

贈与が法律的な問題として浮上するのは、主に親族間です。

 

贈与とみなされると贈与税を払う必要があるので、『贈与ではなく借金』であることを明確にしたい場合があります。“贈与でないものが贈与になってしまう”トラブルです。

 


親族間での貸し借りと贈与税の関係について、国税庁は以下のように言っています。


・親族間での金銭貸借は、その貸借が真に金銭貸借であるならば贈与にはなりません。

・無利子の場合、利子に相当する額は贈与として取り扱われる場合があります。

・形式的に貸借としているだけの場合は贈与として取り扱われます。

・「ある時払いの催促なし」も贈与として取り扱われます。

・「出世払い」も贈与として取り扱われます。


国税庁HP:タックスアンサーNo.4420「親から金銭を借りた場合」


 

なかなか厳しいです。

いろんな戦略があると思いますが、そこは税理士さんにご相談ください。

 

少なくとも『金銭消費貸借契約書』は作成しておくべきでしょう。

 


ユキマサ君 12月

 メリクリ♪

 

 

参考文献(目次1~3):内田貴「民法Ⅱ」[2]東京大学出版会

 

民法|贈与契約の基本と親族間での贈与

茨城県稲敷郡阿見町の金田一行政書士事務


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