送り付け商法における「営業」とは

query_builder 2021/07/15
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送り付け商法|営業

令和3年7月6日に改正特定商取引法が施行され、送り付け商法(ネガティブ・オプション)の対応策が変わりました。


消費者庁を始め、多くの団体・法律関係者が積極的にアナウンスしており、ご存じの方も多いと思いますので簡単に改正のポイントを挙げると①14日間(引取請求後は7日間)の保管ルール撤廃、②保管ルールの撤廃により直ちに処分可能に、③相手方の返還請求権・所有権は認められないので、代金の支払い要求は完全に拒否できるという3点です。



この改正により、送り付ければその分損をするだけなので、この手の悪徳商法はかなり減ると思います。ただし、ひとつ注意したいのは、送り付け商法を規制する特定商取引法59条1項は、送り付けられた側が「営業のために又は営業として」売買契約の申込み(=送り付け)を受けた場合には適用されないということです(同条2項)。


特定商取引法は消費者の利益を守るための法律なので、ビジネスでの取引については守備範囲から外れがちです(「ビジネスしてるなら自分でしっかり防衛できますよね」という考え方です)。


送り付ける側からすれば「個人がだめなら、ビジネス関係の取引を装って会社や個人事業主を狙おう」と思うかもしれません。


では、勝手に商品を送り付けられた会社・個人事業主に対抗手段はないのでしょうか…ご安心ください。ちゃんと通達が出ています。


ちょと長いですが、以下に通達と関連条文を転記します。要約すると、ビジネス用ではなく個人用・家庭用の商品であった場合には個人の場合と同様の手段で対抗できる可能性があるということです。


令和3年6月29日:特定商取引に関する法律の施行について


法第59条第2項の解釈について 「営業のために又は営業として」の趣旨については、第2章第5節(雑則)関係1(1)を参照 されたい。


第2章第5節(雑則)関係

1 法第26条(適用除外)関係

(1) 法第26条第1項第1号について 本号の趣旨は、契約の目的・内容が営業のためのものである場合に本法が適用されないという趣旨であって、契約の相手方の属性が事業者や法人である場合を一律に適用除外とするものではない。例えば、一見事業者名で契約を行っていても、購入商品や役務が、事業用というよりも主として個人用・家庭用に使用するためのものであった場合は、原則として本法は適用される。特に実質的に廃業していたり、事業実態がほとんどない零細事業者の場合には、本法が適用される可能性が高い。 


(参照)

第二十六条 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。

一 売買契約又は役務提供契約で、第二条第一項から第三項までに規定する売買契約若しくは役務提供契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供


勝手に送り付けられた物にビジネス用も家庭用も無いと思いますし、中身がわからなかったら判断できないし、そこは今後の運用次第だと思います。


そういえば昨年、植物の種が送り付けられるという謎の事件が多発してましたが、偽の通信販売実績を上げるための「ブラッシング詐欺」の可能性が高いそうです。随分手間がかかりそうですが、その労力を真っ当な仕事に使おうとは思わないんでしょうか。



送り付け商法における「営業」とは|茨城県稲敷郡阿見町 金田一行政書士事務所

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